その2 『現代の易』基礎編の冒頭あいさつより

 

■易にはじめて接する人へ

周易の学び方・考え方

 

現代の易

 

周易はたくさんある占断術の一つです。しかし経典があり、筮具を用いる点で他の占術と違っています。判断できる範囲は他の占術と似た点もありますが、精通したら、たとえば株価の判断ができるなどの点では偉大な力を持った占術です。株価の判断は他の占術では不可能です。

周易の占術と、他の占術との決定的な差異は「どうしたらいいか」がわかることです。周易でも、他の占術でも「どうなるか」という点は同じくらいに把握できます。

一年の運勢とか、目先の運勢などは時間が経過すれば、それなりの答えが出るものです。生死はもちろん、吉凶禍福に至るまで同じことが言えます。それだけに希望する学校に合格するかとか、運勢がこれからどうなるかなどの占断がどんなに正しくできても、結果的にみたらたいした意味を持ちません。結局は、「どうするか」です。

占断で最もたいせつなことは「どうなるか」ではなくて「どうしたらいいか」です。占う時間内(一年間とか一か月間とか)をどうしたら平穩順調に、大難を小難に変え、小難を無難に過ごせるかです。

人間は生きているかぎり、生き方というものが必要です。そして人間の意識は年齢とともに変化します。若い時代の正義感は年齢によって老獪(ろうかい)さに、または狷介(けんかい)さに変わるでしょう。そして運勢という自分の生き方は意識によって、吉にもなり、凶をも招きます。

周易は意識の軌道修正術です。易が、あなたの考え方はよくないからこうしたらどうですか、と教えてくれます。また、甘い、甘い、もっと厳しく考えて、と注意してくれます。そのとき、易の忠告に従うのが易を読む人のすぐれた態度です。

それにはなんと言っても、卦辞をよく読み、爻辞を理解することです。周易には経典があるので、経典の解釈ができないと、判断はもちろん、占断も絶対にできません。

ですから、乾卦から未済卦まで理解できるまで読みましょう。そして易の言うことを処世の知恵として理解し活用しましょう。

周易を理解することでいい判断が生まれます。いい判断がまとまれば正確な占断ができます。

飽きないで、ゆっくりと読みましょう。あせることなく読みましょう。

なお、「易経」の読み下しについては、いろいろな本を読みましたが、本田済著『易』(朝日新聞社刊)が最もわかりやすく、無理のない読みと解釈ですので、これによったことを、ここに断っておきます。

*『現代の易』については「もっと学びたい方へ」のなかの「横井伯典の本」をご参照ください。初心者を対象として書かれた通信講座用テキストなので、伯典流周易の実践エッセンスを身につけるには最適の書です。